2019年、11月末よりフランス産の実写版「シティーハンター~史上最香のミッション~」が劇場で公開されています。
視聴した人の反応は獠香で、
ツイッター上でこれ以上はXYZな表現を発見したためご紹介しておきます。
そういやシティーハンター、新宿プライベートアイズが「昔馴染みの定食屋に30年ぶりに行ったら当時そのままの定食が出てきた」という感想があったが、実写版は「フランスの日本食屋でラーメン頼んだらインスパイアじゃない本物の二郎が出てきた」って感じ。
— T2-F⋈短絡回路 (@tanrakukairo) November 30, 2019
そういやシティーハンター、新宿プライベートアイズが「昔馴染みの定食屋に30年ぶりに行ったら当時そのままの定食が出てきた」という感想があったが、実写版は「フランスの日本食屋でラーメン頼んだらインスパイアじゃない本物の二郎が出てきた」って感じ。
この記事では、フランス産シティーハンターが思った以上にGET WILDしていたので映画の感想を交えて『実写版シティーハンターが最高にGET WILDである5つの理由』を紹介していきます。
実写版シティーハンターが最高にGet Wildである理由①監督の熱意と愛情

監督で主演のフィリップ・ラショーは90年代にフランスに輸入されたシティーハンター(仏名ニッキー・ラルソン)を見て惚れ込み、いつしか実写化を夢見るようになりました。
しかし、その熱意が半端ではありません。
・脚本作成チームでフランスで放送されたアニメ144話を見返し原作マンガの全35巻を読み直し、ジャッキー・チェンの中国版映画も外国の映像化作品もみた
・18か月かけて書いた脚本を原作者 北条司氏にチェックを依頼。わずか48時間後にOKサイン&「原作にこのストーリーを入れたかった」という最高のほめことばをもらう。
・主演&監督のフィリップ・ラショーは冴羽 獠を演じるために8か月間の食事ダイエットとトレーニングで筋肉を8kgつける
・シティーハンターを知らない世代のフランス人、日本人でも楽しめるようにコメディ映画としてつくってある。
・舞台を新宿でもパリでもなく架空のフランスの都市にし、必要以上に世界観を壊さないようにした→CG処理でエッフェル塔を消したり、建物を足したり
架空の都市を使うのは「人は大きなウソは気にしないけど、小さなウソには気付くから」です。
例えば、特撮の「ゴジラ」そのものはファンタジーですが、ゴジラ以外のまわりが残念だととたんに冷めてしまいます。
・登場する街のミニチュアがお粗末
・壊される建物のCGがショボい
・崩れる建物の手前を普通に自動車が渋滞している。
日本での公開はアニメとほぼ同じキャストによるデラックス吹き替え版なので問題ありません。
しかし、原作シティーハンターの舞台である東京の新宿で撮ろうとすると出演者はフランス語だし、費用も増大するしであまりいいことがありません。
架空にしてしまうことで日本人にも、フランス人にも違和感を少なくしている知恵ですね。
実写版シティーハンターの「アニメ表現が実写の世界観を壊さない工夫」

シティーハンターではしばしば、女性キャラに色目を使うリョウにカオリが100tと書かれた巨大なハンマーで殴りかかるシーンがあります。
ところが、実写映画で無理やり取り込むと雰囲気を壊してしまいます。
アニメ的な表現を実写版で1シーンとしてそのままやってしまうのは、しらけてしまいます。
例えば、アニメ実写化でも評判がよい「るろうに剣心」での斎藤一の牙突(がとつ)という刀による突進技の実写はひどいです。
刀を突きだしたまま、役者(江口洋介さん)をワイヤーでぴょーいと吊って動かしているのが丸わかりです。
るろうに剣心の実写版自体は、刀による戦闘シーンが実写の殺陣とCGがうまく組み合わさっているので迫力があるのですが、ガトツだけはほんとうに残念な出来です。
アニメ表現を実写化でそのままやるのではなく、妄想シーンだけで使うなどの工夫は原作のオマージュと実写化の雰囲気を壊さない制作者の原作愛と映画監督としての腕を感じます。
実写版シティーハンターは「冴羽獠と香役が現実でもパートナー」

獠役&監督のフィリップ・ラショーと香役の女優エロディ・フォンタンは現実でもパートナーでロマンスに説得力があります。
原作シティーハンターはジャンプ作品の中でもロマンスとセクシーな表現が多いです。
原作の獠と香は仕事の相棒で同居しているものの、プラトニックな関係です。
お互いを大事に思っているものの、獠は香には手を出しません。
理由は、香が、「獠のかつて相棒ヒデユキの妹」で、ヒデユキの死に際に彼女を託されていたからです。
シティーハンター実写版の本作では、惚れ薬を扱う関係で獠が香と少しだけいいムードになることがありまが、役者同士が現実にもパートナー同士であるとがぜん説得力が高まります。
例えば、同じように監督と主演が夫婦またはパートナー関係にあるのがゲームの実写版「バイオハザード」の主演ミラ・ジョヴォヴィッチと監督ポール・アンダーソンです。

実写版バイオハザードは、作品を重ねるごとに
「うちの嫁をいかにカッコよく撮るか?」
に特化していった部分がありますが、実写化作品の中で監督と女優の仲がよいのは作品の完成度を高めるのに一役買っています。
「バイオハザード2アポカリプス」の再現度はゲームの実写化としてかなり評価が高いです。
ちなみに、ミラ夫妻は近年、「実写版モンスターハンター」をつくっています。
実写版バイオハザード、アニメ版シティーハンターはU-NEXTでも配信中!
無料期間を利用して視聴してはいかがでしょう

実写版シティーハンターはネタがゲイ・ワイルド

実写版シティーハンターでは、LGBTの恋愛演出がさわやかでコメディ映画として面白く見られます。
例えば、物語の冒頭で「父が開発した効き目100%のホレ薬」を悪の手から守ってほしいという依頼をドミニク・ルテリエという男から受けますが、獠はホレ薬の効果を信じません。
そこでルテリエは自分にホレ薬をスプレーし、獠に嗅がせます。
男が男に使ったホレ薬の効果はてきめんでした。
以下激しいネタバレを含みます。↓
・依頼の話を進めているうちに、テーブルの上に置かれていたルテリエの手をいつの間にか握ってしまう冴羽 獠。
・ルテリエが運転する車で獠、香が移動中、シフトレバーの上に置かれていたルテリエの手をいつのまにか握ってしまう冴羽 獠。
・いろいろあってクライマックス。奪われたホレ薬を取り戻し、ホレ薬の解毒剤を自分にスプレーしようとした瞬間、ルテリエの顔が思い浮かび解毒をやめる、冴羽 獠
・そのままルテリエに電話をかけ、「この仕事が済んだら2人で食事にでもいかないか?食事が終わったら…」とルテリエ(男)を口説く冴羽 獠
・電話した先のルテリエが女性(奥さん?)と一緒だったことを知ってショックを受け、夜空を見上げる冴羽 獠
・獠が見上げた夜空にうかぶ満月に映るのは、満面の笑みを浮かべたルテリエ。
・意を決して解毒スプレーを使おうとした瞬間、ルテリエ(男)から「仕事がすんだら食事に行こう」とラインがきてやっぱり思いとどまる冴羽 獠
↑ここまでモーレツなネタバレ
上記は、LGBTや婚姻関係を結ばないカップルが日本よりも社会的に受け入れられているフランスならではの演出といえます。
けっして「腫れものを触るような」姿勢は見られません。
今の日本映画で同性愛をお笑いのネタにしようものなら、すぐにクレームがとんできます。
現実とパロディの区別がつかない人がポリコレこん棒を振り回して公開が中止され、監督や関係者が謝罪会見を開かれそうな内容です。
クレヨンしんちゃんの劇場版から、ゲイ、ホモなどのオカマキャラが消えてどれくらい経つでしょうか?
男女平等の色恋沙汰という観点で見れば、登場させない方が逆に差別になるのではないでしょうか?
小難しいことは置いておいて、楽しめる内容になっています。
実写版シティーハンターは日本語吹き替え版がゲット・ルパン・ザ・サード

実は、実写版シティーハンターは主要人物の声が2019年現在のルパン三世関連の役者と被っており、なかなかおもしろいキャスティングです。
実写版シティーハンター吹き替えキャスト (ルパン三世での役)
リョウ:山寺 宏一 (2代目 銭形警部)
カオリ:沢城みゆき (3代目 峰不二子)
パンチョ:浪川大輔 (2代目 石川五右衛門)
ジルベール・スキッピー:(多田野曜平) 初代ルパン三世の声優山田康夫氏の吹き替え代打
ちなみに、2019年2月に公開された劇場版シティーハンター新宿プライベートアイズでは、EDの掲示板に見覚えのある落書きが!
シティーハンターとルパン一味が絡む機会はあるのでしょうか?
実写版シティーハンターでひとつだけ気になるのが、主人公コンビの吹き替え声優がアニメと違う点です。
個人的には
カオリ役の伊倉一恵さん
で見たかったなぁ。
今作の銭形警部と峰不二子と石川五右衛門の吹き替えは最香におもしろいです!
神谷さん自身はアニメの冴羽リョウということで、シティーハンター時代に技を磨いた山寺さんに譲ったようにも思えます。
ブルーレイ化時にスーパーデラックス吹き替え版エディションとかで出す気でもある予定はあるのでしょうか?
まとめ EDがGet Wild
とりあえず漫画実写化反対派はシティーハンターの実写化だけは違うというのをわかってくれ。
最後までちゃんとシティーハンターしてるから(締めもGet Wild) pic.twitter.com/MA8pgiYlIw— 【嵐龍】アマツマガツチ (@Amatu20101201) December 4, 2019
2019年の年明けをabemaTVの一挙放送で迎えた筆者は、その後2月の新作アニメ劇場版にも足を運び、脳内をGet Wildで満たして帰ってきました。
筆者は直撃世代ではありません。
しかし、ネット配信のおかげでシティーハンターのカッコよさはつねづね感じていました。
そして7月、実写版のシティーハンターが日本で公開されると知って特報のPVとジャケット写真を見たときに勝利を確信しました。
スカイブルーのジャケットを腕まくりし、赤いインナーシャツに黒いパンツを着こんだフランス版「冴羽 獠」と「槙村 香」がそこにはいたのです。
そして、本編の終わりもPVも最後はGet Wild。
2019年はゴジラ ザ・キングオブモンスター、名探偵ピカチュウなど日本原作のアニメやゲーム、特撮の海外版実写映画がいくつも公開されましたが、どれも制作者の熱量がすさまじかったように思います。
実写版シティーハンターは原作に思い入れがある人はもちろん、コメディ&ガンアクション映画が好きな人にもおすすめです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
引用:シティーハンター史上最香のミッションパンフレット