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【映画感想】「この世界のさらにいくつもの片隅に」が3年も上映される3つの理由

サバうさ
サバうさ
映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅にを見てきたよ

プライス
プライス
160分以上だったけどゆったり静かに見れたね

「この世界のさらにいくつもの片隅に」は2016年公開のアニメ映画「この世界の片隅」の”新規パート追加版”です。

この記事では、映画「この世界の片隅に」が新規パートも追加され、3年にわたって公開され続ける理由をお話しようと思います。

この感想を読んだ人が「さらにいくつもの劇場鑑賞者に」なることを祈っております。

本記事の内容

  • 「この世界のさらにいくつもの片隅に」が3年も劇場公開される3つの理由
  • 「この世界の片隅に」を見る方法

「この世界のさらにいくつもの片隅に」が3年も上映される3つの理由

「この世界の片隅に」のあらすじ

「この世界の片隅に」は大正から昭和の広島を舞台に、絵を描くのが大好きなおっとりしすぎさ100%のヒロイン「北條すず」さんの「日常生活」を描いたアニメ作品です。

すずさんは、日本が大正初期、広島の海苔づくりを家業とする広島県広島市の漁村に生まれます。

すずさんは、絵文字のの ( ´_ゝ`)フーン をアニメ化したような顔です。
少しぼーっとしていますが幼いころから絵を描くのが好きでした。

どれくらい好きかというと、小学校の勉強で使う1本しかない鉛筆が、削りすぎていつもairpods proくらいの大きさしかないほどです。

18歳になったすずさんは、ほぼ顔も知らない青年の花嫁になるため広島から呉にお嫁に行きます。

軍靴の音が近づくなか、すずさんは慣れない土地での生活に奮闘していきます。

「この世界のさらにいくつもの片隅に」はクラウドファンディングで制作されたから

「この世界の片隅に」では出資企業を募るためのパイロットフィルム制作費用を集めるため、クラウドファンディングという手法がとられました。

目標金額は2000万円、2015年3月9日午前11時にはじまったクラウドファンディングは大成功。

クラウドファンディングによる映画の制作費用がここまで集まるのは当時としては最大規模でした。

参考:クラウドファンディング – MotionGallery (モーションギャラリー) https://motion-gallery.net/categories/film?page=2

「この世界の片隅に」は上映開始の2016年11月から2019年10月31日現在で、「公開から中断なき映画館での連続上映」は1084日を超え、日本記録を更新しました。

2016年といえば夏に「君の名は」「シンゴジラ」が上映され邦画が大躍進した年です。

しかし、3年にわたって公開されたのは「この世界」くらいです。

興行収入的には負けますが、「原作のコミックに感動し、このコミックを劇場で観たい!」と多くの人思ったからこそ、長い間上映されたのです。

「この世界の片隅に」の記録

  • 開始2時間で支援者120人、支援金200万円
  • 開始から8日と15時間弱で目標の2000万円達成
  • 終了時の5月末には日本全国47都道府県から3374人、3912万1920円
  • 2016年11月12日に全国63劇場で「この世界の片隅に」の上映開始
  • 2017年1月4日、興行収入10億円、1月15日に観客数100万人
  • 2017年2月、同時公開関数300館突破
  • 公開から15週連続で興行ベストテンにランクイン
  • 2017年3月25日、興行収入25億円に到達。最終的には210万人を記録し興行収入は27億円

クラウドファンディングで多くの支援を集めるためには、「原作やもとになる企画が魅力的と思っている人が少しでもいること」が大前提です。

例えば、毎年夏にニコニコ動画で放送される「ニコニコ百物語」にて「心霊写真部」という低予算のホラー映画が人気をはくしたことがありました。

「心霊写真部」は視聴者満足度が百物語で過去最高を記録し、劇場版が制作されることになりました。

心霊写真部のクラウドファンディングは54万円を目標にスタートしたのですが、最終的に集まったのは200万円以上!

『ニコニコ動画を見ている人で、ホラー映画ファン』という限られた枠の中で200万円強の金額が集まるのは驚きですね。

「この世界の片隅に」も「心霊写真部」も「君の名は」や貞子と比べるとマイナーなのは否定できません。

しかし、マイナーな作品でも、おもしろいと思ってくれた少数の人が作品の支援ができるクラウドファンディングの力は偉大です。

「この世界のさらにいくつもの片隅に」は今でも通じるテーマだから

自分に期待された役割を果たせないけど、日々の生活は続くので適当に力を抜いて生きていくしたたかさ。

「この世界のさらにいくつもの片隅に」のテーマはこれかなと個人的に思います。

というのも、すずさんのエピソードがわりとハードだからです。

広島から呉に嫁入りしたすずさんは、お使いの帰りにうっかり歓楽街に迷い込んでしまいます。 歓楽街で道をたずねたのが遊女の「リンさん」でした。

詳しい説明は省きますが、実はリンさんは「すずさんの夫(周作)の花嫁になるはずだった女性」で、 すずさんはそれを女の勘で察してしまいます。

同時期、すずさんは夫とのあいだに子どもができず悩んでいました。

そんな中、巡洋艦「青葉」の乗組員である、すずさんの小学生時代の男友達が 同郷のよしみですずさんたちの家に一晩だけ泊まることになりました。

同郷の友達に夫の前では見せたことのない和んだ態度を見せるすずさんに夫は罪悪感を覚えます。

「すずは結婚を受けてくれたけど、ほんとうは嫌だったんじゃないのか?」 罪悪感から、その晩、夫の周作はすずさんを男友達の寝室に無理やり押し込みます。

くわしくは劇場か配信サービスで!

「この世界の片隅に」を観るなら<U-NEXT>

※翌日、男友達を乗せた巡洋艦「青葉」は出撃し、二度と帰ってくることはありませんでした。

  • 子どもができない悩み
  • 夫からの罪悪感
  • リンさんとすずさんの関係

 

この3つだけでもハードなのに、さらに空襲ですずさんは負傷。 満足に絵を描くことも、家事をすることもできなくなってしまいます。

同居する義父などの家族は「実家の広島」に帰ることをなんとなく勧めてきますが すずさんは夫と生きていくことを選びます。

「この世界」はキャラクターの表情が顔文字の( ´_ゝ`)フーン のため、

ドロドロのエピソードでも楽しんでみることができますが、わりと息苦しい話です。

今でこそ、女性の生き方は選択肢が増えてきましたが、時代は昭和二十年代。

嫁ぎ先の居心地が悪くても、我慢して生きていくしかありませんでした。

「どうにもならないけど、お腹はすくし、どこかで折り合いをつけていくしかないかなぁ」

すずさんが終始泣きわめいてばかりのヒロインだったら「この世界」はとても重苦しい話になっていたでしょう。

しかし、のんびりとしている彼女のキャラクターが戦時下の日常をたくましく生きている姿は 元気をくれ、心をあたたかくしてくれます。

「このせかいの(さらにいくつもの)片隅に」は、そんなしたたかさを教えてくれます。

「この世界のさらにいくつもの片隅に」はドラマ以外の部分が緻密だから

この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の片淵須直監督は、「日常の営み」を独特な視点で描く監督です。

架空のドラマをおもしろく見せるために、「日常」の再現には徹底的なリアリティを追及しています。

ドラマの舞台となる「日常」を描くため、舞台となる広島にも何度も足を運び、文献や地図を調べまくりました。

例えば、

  • 「すずさんと夫の周作が段々畑から戦艦大和の呉入港を見る」シーンのために戦艦大和の航行記録から呉入港日を昭和19年4月17日であることを突き止め、天候や気候などを シーンに反映。
  • 呉が最初の空襲を受けた日を昭和20年3月19日と特定。

など、「そこまでやるんか」という力の入れようでした。

片淵監督は、とくに「戦時下や戦場がすぐそばにある日常を生きる人たちを表現する」のがうまいと思います。

例えば、

脚本を担当した、プレイステーション2の戦闘機シューティングゲーム「エースコンバット4(2001年)」では、ストーリーで主人公のプレイヤーキャラを登場させずに、占領地で暮らす10歳の少年と敵エースパイロットとの交流を主に描くことで、プレイヤーに 「敵パイロットにもドラマがあるんだ」ということを印象付けました。

2019年発売の「エースコンバット7」でも脚本を担当し、プレイヤーキャラは極力触れず、戦闘機の整備士に焦点を当てることで「プレイヤーが乗っている戦闘機も人の手で整備されている」 ことを印象付け、ただのゲームに人間味を与えてくれました。

エースコンバット自体が、映像がグッときれいになったプレイステーション2のころから戦闘機の挙動と空の美しさに並々ならない熱量を注いでいました。

架空の人間の日常ドラマを描くため、日常部分にリアリティを求める片淵監督と相性がよかったのでしょう。

「この世界の片隅に」を見る方法

前作である「この世界の片隅に」は各種動画配信サービスで配信されています。 コミックも電子書籍で販売されておりおすすめです。 アニメ観るなら<U-NEXT> ややこしいので整理しておきます!

 

  • 2020年1月現在に劇場公開されているのは新規追加パートありの「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」です。
  • 2016年11月公開で、すでに動画サービスで配信されているのが前作の「この世界の片隅に」です。

 

追加パート版は上映時間が長いですが、近くに上映している劇場があったらぜひ大画面で観てほしいです。

「まとめ」

  • 「この世界の片隅に」は”こうの史代さん”のコミック原作の日本のアニメ映画で、2016年上映から少しづつ上映館を増やしました。
  • パイロットフィルムを制作するためにクラウドファンディングで資金を集めた珍しい作品で、 2019年の年末に追加カットを加えた「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が公開。
  • 内容は、戦時下の広島で広島から呉に嫁入りした北條すずさんが、日常生活を力強く生き抜いていく作品です。 160分オーバーの大作でもゆったりみられます。
  • 「この世界の片隅に」は各種動画配信サービスで配信中

最後までお読みいただきありがとうございました。

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