あなたは、デビューから応援していた「推し」がスキャンダルにはまってどうしようもない感情になったことはありませんか?
例えば、
「過去にAVに出演していた俳優、声優、野球選手やアメフト部の監督が、有名になるに連れて出演歴を抹消。人気絶頂期に発覚して炎上する」
という流れです。
いわゆる、「推し、燃ゆ」の状態です。 細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」を劇場で見てきた私は、公式HPで出演者のリストを眺めていて、ふとそんなことを思ってしまったのです。
「竜とそばかすの姫」の感想【貞子VS伽椰子を隠すな!】
だいたいあってる「竜とそばかすの姫」のあらすじ
- 全員VtuberのSNS「U(ユー)」で同時接続1億人のオンラインライブを開くほどのVtuber歌姫「ベル」。その正体は高知県のど田舎に住むそばかす女子高生「スズ」だった。
- スズは小さな頃、歌うのが好きだったが、母の死後は歌うのを辞めてしまった。
- 竜人型のアバターのオンラインゲーマー「リュウ」が、ベルのライブ会場に乱入してくる。
- リュウは格闘ゲームが強すぎるのでネット警察「ジャスティン」たちの不興を買い、身元をバラされそうになっていた。
- 自らの影響力を行使して、スズ(ベル)は秘密裏にリュウの正体を突き止める。
- リュウは、佐藤健の声そっくりのイケメン中学生だった。発達障害の弟とともに父親から軟禁され虐待を受けていたのだった。いろいろあってスズとの通信を閉じるリュウ。
- ベルは1億人の前でスズの姿でライブを行い、リュウからのコンタクトを待つ。自ら中の人をさらすことでリュウの中の人から信用を得るためだ。
- スズを信用したリュウはコンタクトをとろうとするが、父親にネット回線を切られてしまう。切られる直前、虐待を受ける弟をかばうリュウの姿が!
- スズは、幼なじみのしのぶくん、ネットオタクJK、合唱サークルのマダムらの協力を得てリュウの住所を特定した。
- リュウの中の人を救うため、スズは高知から新幹線と夜行バスで東京へ。
-
スズは、リュウの住所近くで大声を上げて中の人を呼び出す。スズは追ってきたリュウの父親から暴行を受けるも、なんとか兄弟を救い出す。
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高知に戻ったスズは、地元の川の土手を歩きながら青空ライブを始めるのだった。
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めでたしめでたし。
『竜とそばかすの姫』から貞子vs伽椰子を隠すな!

吹奏楽部のマドンナキャラであるルカちゃんというキャラがいます。 ルカちゃんに声を当てるのが玉城ティナさんだ。
彼女を知ったのは、2016年公開のホラー映画『貞子VS伽倻子』でした。
ニコニコ百物語などでコメント付きのホラー映画を見るのが大好きで、年に一回は必ず視聴しています。
しかし、竜とそばかすの姫の公式HPには玉城ティナさんが「貞子VS伽倻子」に出演していた情報がありません。
なぜでしょうか? ルカちゃんは、スズの幼なじみ「しのぶくん(CV:成田凌)」に 言い寄っているように見せかける思わせぶりなキャラです。
実際には別の男子(カミシンくん)が好きなのだが容姿がモデルみたいなので 男子と1対1で話しているだけでいつのまにか恋愛スキャンダルを引き起こしがち。
『竜とそばかすの姫』の公式HPにはキャストの簡単な経歴が載っています。 公式HPに載っている玉城ティナさんの出演作品は以下のとおりです。
- デビュー作「TBSドラマNEO「ダークシステム恋の王座決定戦」(14年/犬童一心監督)」
- 『PとJK』(17年/廣木隆一監督)
- 初主演映画『私にXXしなさい!』(18年/山本透監督)
- 『Diner ダイナー』(19年/蜷川実花監督)
- 『悪の華』(19年/井口昇監督)
- 『地獄少女』(19年/白石晃士監督)
- 『AI崩壊』(2020年/入江悠監督)
なぜか2016年公開の『貞子vs伽椰子』16年/白石晃士監督」が載っていません。
何か問題でもあるのでしょうか?
『貞子VS伽椰子』と同じ監督の『地獄少女』は 載っているのに 『貞子VS伽椰子』だけがない。
なぜでしょう?
「主演作品ではないから載せてない」のであれば 『PとJK』(17年/廣木隆一監督)もはぶけるはずです。
知名度だけで言えば「貞子」や「伽椰子」も あります。
リング第一作は98年、呪怨は2002年。 20年近く前の作品ですが現在も存在感があります。
劇場公開時には、プロモーションでプロ野球の始球式までした2作品が 玉城ティナさんの出演作品から省略されるのはおかしいです。
染谷将太さんの「悪の教典」も載っていない件

ルカちゃん(玉城ティナ)貞子VS伽椰子出演歴削除説と同じく、 もうひとり過去の出演作品が載っていない役者がいます。
カミシン役の染谷将太さんです。彼も10年前にホラー映画に出演しています。
しかし、
「竜とそばかすの姫」のキャスト出演歴に、『悪の教典 12年/三池 崇史監督』が載っていません。
なぜ、玉城ティナさんも染谷将太さんも ホラー映画の出演歴が載っていないのでしょうか?
やはり全年齢対象の細田守監督作品に クリーンなイメージを持たせたいということなのでしょうか?
- 悪霊に取り憑かれて両親失踪(貞子VS伽椰子)
- カンニングがバレてサイコパスの担任教師にハンダゴテで顔中穴だらけ(悪の教典)
など刺激的な描写がある作品は 細田監督作品のファンに見せたくないのでしょうか?
どちらの作品も、2人の役者を知るきっかけになった 大好きな作品だっただけに
『竜とそばかすの姫』での出演歴に載っていないのは残念です。
ちなみに、
- 染谷将太さんは、『シライサン 19年/安達 寛高監督』
- 玉城ティナさんは、『地獄少女 19年/白石 晃士監督』
などホラー映画への出演も精力的にこなしています。
染谷将太さん出演のシライサンを見るちなみに、玉城ティナさんは芥川賞の「推し、燃ゆ(著 宇佐見りん)」のAmazonオーディオブックのナレーションもしています。
玉城ティナさんでびっくり!お二人のより一層のご活躍を心より応援しています!
スズが誰ともくっつかないのは歌姫のスキャンダルを避けるため?

カミシンこと千頭慎次郎は、カヌー部をひとりで立ち上げインターハイを目指すテンプレ熱血男子です。 彼の存在意義は2つ。
- 恋愛要素がうすいスズの補填
- 父親に虐待を受けるリュウの中の人の居場所を特定するヒント
青春ラブコメ要素はルカちゃんとカミシンのカップルに任されています。
作中でルカちゃん(CV玉城ティナ)は 片思いの男子がいるのですが、それがカミシン(CV染谷将太)です。
カミシンは「時をかける少女 /06年」の千昭(ちあき)から 未来人と芸術系センスを抜いて、体力と陽キャラを追加したような人物です。
スズは幼なじみのしのぶくんとも、 虐待から助けたリュウ(CV佐藤健)ともくっつく描写がありません。
というか、しのぶくんもスズを気にかけてはいるものの、幼なじみの延長といった感じで恋愛感情は薄いです。
しのぶくんをスズちゃんとラブロマンスにさせなかったのはスズを浮気者扱いさせないためでしょう。
クライマックスでスズとリュウの中の人がハグするシーンを 『りゅうとそばかす姫の不倫』呼ばわりされかねないので。
歌姫といえば、映画公開前後にデーモンスレイヤーとか無限の列車に関係する リアル歌姫が不倫騒動がありましたね。
ライブの終わり際
『そういやあたしプロミスシンデレラの視聴ツイートで家は嫌だなって書いとったわw』
などとファンの不安を吹き飛ばすMCを残していました。
リアル歌姫よ!また戻ってきてね!
細田監督、ケモナーやめるってよ
今作では細田守監督の性癖、ケモノミミのヒロインがほぼ、登場しません。
サマーウォーズ(09年)以降、 細田監督は3年おきに獣人作品を世に出し続けてきました。
バケモノの子(15年)ではヒロインやショタに飽き足らずムキムキ♂クマ獣人のクマテツ(役所広司)まで出してきたので♂でも♀でもどっちでもいけるクチなのでしょう。
もののけ姫やすみっこぐらしのように、 完全なケモノやマスコットでは我慢ならないのです。
細田監督は、人の形ににケモノの耳がついた獣人が好きでたまらないのです。
しかし、竜そばではメインストーリーに絡んでくるキャラに獣人はいません。
モブのアバターに見られるくらいです。 久々のJK主人公に自分の性癖を添加するのをやめたのでしょうか?
細田監督のケモノミミキャラ、きらいではないので またつくってほしいです。
スズ、YouTuberになるってよ
現実の動画投稿サイトYoutubeに<Belle 鈴>名義で公式チャンネルを開いており OSTのダイジェスト版も長尺で聞くことができます。
- 主題歌の U- millennium parade
- 挿入歌のUta yo 歌よ
は、今夏のヘビーローテーションになってます。 特にU- millennium paradeはお気に入りです。
映画のなかではベルの正体がバレるのは後半ですが 現実では、最初から本名を公表しています。
現実に存在するバーチャルユーチューバーの 中の人が露出したら割と炎上ものですが、
<Belle 鈴>はアニメの中で100000000人以上の人の前で 素顔を露出しているのでいまさら問題ないでしょう!
合唱サークルの5人はスズのトラウマにならないか?

母を亡くしたスズを小さな頃から面倒見てきた、5人の合唱サークルのマダムがいます。
演者は日本の音楽業界のレジェンドマダムたちです。
- 森山良子
- 清水ミチコ
- 坂本冬美
- 岩崎良美
- 中尾幸世
ベテラン歌手で集めてあるのはいいのです。 合唱シーンもあるので、ベテラン歌手の面目も立っています。
しかし、5人いてもメインストーリーにはほぼ絡んできません。 ただのギャラリーです。
高校生になったスズとの関わりしか描かれていないので 急に出てきた感があります。
しかも5人も。
スズは幼少期、母と歌うのが大好きでした。 だから母が死んでから歌えなくなりました。
歌にトラウマがあるけど 合唱サークルは関わってくる。
トラウマの原因の「歌」が向こうからやってくるのは むしろ心の傷を広げるのでは?
前述のとおり物語の解決に合唱サークルはほとんど関わってきません。
児童相談所への通報要件などを助言し スズに駅まで車を出すくらいです。
マダムたちとスズとの関わりをもう少し描いてほしかった。
歌はいいんだけど、演技パートは声優使おうよ
主人公のスズ(ベル)役中村佳穂さんは 注目のミュージシャンですが、俳優でも、声優ではありません。
歌は100%うまいのですが、 キャラの声がプロのや俳優や声優にくらべてあんまりです。
せめて、スズかベルかどちらかはプロの声優を当てるべきでした。
なぜなら、セリフの量が少なければ プロの声優と比べたときの演技の差を感じづらくなるからです。
かつてカラオケで得点を上げるために曲のテンポを速くするという小技がありましたが、それと一緒です。
しゃべる時間や量が短ければ違和感がカバーされます。
- 現実のスズ役
- 仮想世界のベル
- 主題歌
どれも同じ人間を抜てきするのは 細田監督の演出のおもしろさを感じます。
しかし、いくら歌の出来が100%でも セリフ量が多い主人公二人分の演技があんまりだとただのノイズです。
せめてスズかベル、どちらか一方をプロ声優にまかせるべきでした。 せっかくベルの歌がバツグンに良いのですから。
ちなみに、ジブリが声優を使わなくなったのは
- 宮崎駿監督「プロの声優は注文通りの演技ができてしまう。 それが嘘に見えて嫌だから」
- 鈴木敏夫プロデューサー「アフレコは演者全員でそろってやりたい けど、声優だと別撮りが当たり前で揃わない!俳優でいいや!」
など、ようは監督やプロデューサーのわがままです。 ただし、彼らは結果を出し続けているので何を言ってもまかり通ります。