いしかわゆき さん著の「書く習慣」の付録、#1ヶ月書くチャレンジ。8日目のお題は「最近怒ったこと」
あなたは最近、誰かに「お使い」を頼まれたことはあるだろうか?
- 何かを持っていって
- 何かを買ってきて
- どこそこに行ってきて
なんでもいい。 仕事上でもいいし、家族でもいい。 お客さまよりかは身内からの頼まれごとと言ってもいい。
そのとき、頼んだ人のざっくりとした要望に頭を悩ましたことはないだろうか。
そんなお話。
#1ヶ月書くチャレンジ 8日目 最近怒ったこと

お葬式のメモリアルコーナー
筆者は、現在アルバイトで葬儀屋さんに勤めている。 主な仕事は、買い出しや掃除、式場の案内看板の設置などの雑用だ。
葬列者が多い中規模のお葬式では 受注したスタッフに話を聴いて 必要なものを買いに行ったりする。
おもな買い出しは以下のようなものが多い。
- フルーツ 祭壇用の供物
- 故人の好きだったもの
- 消耗品
中でも、「故人の好きだったもの」がくせものだ。
なぜかといえば、 故人の「好物」を聞かれて「商品名」や「メーカー名」を挙げる遺族は少ないからだ。
甘いものといえば?

好物は、葬儀場のエントランスに「メモリアルスペース」 を設けて遺影とともにお供えする。
飾ることで参列者に故人の思い出や人と成りを偲(しの)んでもらうためだ。
まぁ、頼まない喪家も多いのだが ちょっとしたサプライズ的なものだ。
好きだった食品の商品名がわかっていると買ってくるのも明快だ。
しかし、どんな意味にもとれる 「食べもの」だと頭を悩ますことになる。
たとえば、
- 甘いもの
- お酒
- お菓子
- 果物
- 野菜
- お肉
- 雑煮
などは、こちらのセンスと常識が試される。
「お酒が好きだった」 といわれても
- ビールなのか
- 地酒なのか- 月桂冠なのか
- いも焼酎なのか
- ワインなのか
- ワンカップなのか
- 日本酒なのか
- ウィスキーなのか
- チューハイなのか
さらに、実際に聞き取りした担当スタッフからのまた聞きなので判断がつかない。
つい最近、ある葬儀で 「甘いもの」を買ってくるように頼まれた。
いつもなら
など担当者と何となくの打ち合わせがある。 しかし、今回は
「何でもいいよー」
と言われていた。
おわかりいただけただろうか?
「なんでもいいよ」
悪魔の言葉だ。
- ふつうに
- なんでもいい
- 行けたら行く
- テキトーに
受け取り方がむずかしい。
そこで自分は、いつものショッピングセンターに行き 食品コーナーを歩き回った。
「なんでもいいよ」と言われて買って帰ったもの

- オサレなクッキー
- いちご大福
- モナカ
- マドレーヌ
- プリン
などをやたらめったら買って戻ったら
おまんじゅうは?
と担当者から返答が。 希望があるのなら先に言って欲しかった。
パッケージに包まれた菓子類ならまだ良い。 しかし、なまものだと非常に困る。 以前にも、こんなことがあった。
と頼まれたことがあった。 ここで質問だが、 あたなのおうちのお雑煮は「白味噌だろう?かしょう油だろうか?」
ちなみに、我が家の場合 母の実家は白味噌で、父方はしょう油味だった。
これだけでも「ふつうの」の基準がいかにあいまいかわかるだろう。
関西、関東のちがいもあるだろうけど
「何でもいい」がどこでも通じるとは限らないんだなぁ。